生ハム
厳選された国内産の白豚と黒豚を使用し、日本の四季を経て自然乾燥により長期熟成させた、日本育ちの生ハムです。作り方は古代ローマ時代からの製法を用い、原材料の豚モモと塩のみを用いて熟成されます。
1.製造の工程
- 成形
- もも肉の寛骨除去、血抜きその他余分な肉・脂のカットを行います。
- 塩漬け・塩抜き
- 原料の重さ・状態により塩漬け期間を調整の上作業を行います。
- 低温熟成
- 急激な乾燥を防ぐ為に低温・高湿な部屋で熟成を行います。
- 自然熟成
- 常温、通年の一定送風で熟成を進めます。
2.セラーノの豚・塩
- 豚
- 素材である豚がどのような成育過程を経たか、健康状態がどうであったか、それらは非常に重要な要素であり、私たちは生産者とコミュニケーションをとり、信頼関係を築きながら良質な素材を追い求めています。
- 塩
- 生ハム作りにおける塩の役目は保存・脱水、そして風味付けです。セラーノでは海から採れる未精製の原塩(粗塩)を使用しており、これらはマグネシウム、カリウム等のミネラルを豊富に含み、もっとも理想的な熟成を促すと考えています。
3.主な取り扱い豚(商品)
2010年12月1日現在
4.栄養価
セラーノの生ハムにはビタミンB1、B2が豊富に含まれ、糖分、炭水化物がなく高蛋白食品です。
生ハムの脂肪
脂肪はオリーブ油の中に含まれているオレイン酸とおなじ不飽和脂肪酸です。オレイン酸は善玉コレステロールを減らすことなく悪玉コレステロールを減らす作用をします。いわゆる必須脂肪酸で人体内では作り出せず、食品から摂取する必要があります。
ちなみに、血液中のコレステロールは1/5が食物から、4/5は肝臓で摂取された飽和脂肪酸を材料に作られるとされています。
5.生ハムの部位
弊社の生ハムは寛骨(めがね)を除去する、パルマカットを採用しております。パルマカットとは仕込み時のイタリア生ハムの成形方法です。
寛骨を除去しないと豚肉の血液、滑液が残ってしまい、長期熟成の過程で腐敗や異臭の原因の一つになります。塩のみを使用した製法の為、寛骨の除去は重要なポイントとなっています。
6.取り扱いに関して
保存方法
理想の保存方法は、一定温度、一定湿度の環境におくことです。ですから、エアコンの断続運転による(一日の湿度差、温度差が激しい)環境下にある生ハムは、極端な乾燥によるひび割れ、湿度が急激に上がることによる虫の発生など、問題が生じやすくなります。簡単な方法として、乾燥を防ぐには、外側の脂肪部分を薄くそいだものをカット面に覆うか、ラップで全体を覆って下さい。湿度の高い5月から10月頃までの期間は温湿度管理に細心の注意を払って下さい。
商品の特性(黄色脂肪・結晶・その他欠陥)
動物の個体がそれぞれ異なるように、出来上がる製品もそれぞれに味、形、香りは異なります。均一商品ではありません。
従って以下の点にご留意ください。
- ●黄色の脂肪
- 黄色に変色した脂肪は酸化しており、食べられないので取り除いてください。
- ●白い結晶体の正体
- 生ハムのカット面に、米粒ほどの、小さな白い結晶体が見うけられることがあります。 弊社では1981年、財)日本食品分析センターに、この結晶体の検査を依頼したところ、脂質と動物繊維質の混在物質であろうとの結果を得ました。 従って、食しても害はありません。弊社の経験から見ると一般に、長期間良く熟成されたものにあらわれる傾向があります。一般的にハムストーンと称されます。
- ●その他の原因による製品の欠陥について
- 繰り返し述べますが、自然の素材を単純に塩だけで加工したものですので、生体から製品になるまでの環境下で経た状況により、ものによっては下記のような欠陥現象がでることもあります。
- アタリによる内部出血、ウチモモ部分に班点が無数にある。
- フケ、ムレによる剥離または異臭がする。
- 不健康豚による全体部分における残血があり敗臭がする。
仕込み年月日の明記
出荷時に仕込年月日を記入したシールを貼り付けたラベルを付けて出荷します。